やあ。

オカルトOL日記

オカルト好きのOLが日常を綴ります

反射-目に入れること

こんばんは。Oたです。

 

5年前、今の物件を紹介してくれた不動産屋さんから聞いた話をしよう。

5年前の6月、不動産屋さんの車に乗って物件を巡っている時「怖い物件とか事故物件って、結構あるもんなんですか?」と何気なく聞いてみた。

すると「うーん、あんまりないですけど、1回だけ怖かったことありますよ」といって語り始めた。

 

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今と同じように、お客さんを車に乗せて物件を内見しにまわっていた時のこと。何軒目かの物件に到着した。

その物件は雨戸が閉まっていたので、先に部屋に入って雨戸を開けることにした。光源は玄関側から差し込む光しかなく、部屋の中はうす暗い。

ベランダに続く大きな窓に近づいた。

ガラス製の窓の鍵を開け、手をかけた瞬間、違和感に気づく。窓には部屋の中がうつっている。空っぽの部屋の真ん中に、女の人が立っている。お客さん?違う。振り返る。誰もいない。窓を見る。もう、誰もうつっていない。

 

その後、不動産屋さんは雨戸を開け、粛々とお客さんに部屋の中の設備を説明した。しかし、適当な理由を繕ってその部屋はお勧めしなかったという。

 

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よくある展開だ。

鏡やガラスの反射によって何かを見てしまう怪談は山ほどある。

 

この怪談の良い点は、窓ガラスと体験者「私」の距離が極端に近いことだ。

「私」は窓とほぼ密接して立っていたので、部屋の真ん中にいた幽霊は「私」の後ろ姿しか見ていないことになる。

しかし「私」は幽霊と一緒に、というよりもまず「私」の姿(逆光による影)を窓の中に見たはずだ。

その瞬間に「私」と幽霊が同じ部屋の中にいる光景を見たのは、彼だけなのだ。

体験の起点は幽霊側ではなく、「私」にある。目撃するところから怪談が生まれている。

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その距離感が、この怪談を良い意味で私的なものにしていると思った。

 

今朝、久々に悪夢を見て目覚めた。

不思議な話をお持ちの方は是非、Oたへお聞かせください。

 

Oた